ユングの仕事を引き継ぐ
以前の記事で紹介した男性の女性的な元型の成長――すなわち、男性の精神機能の発達を示す「アニマ(anima)」とは、ラテン語で「魂」の意。少なからぬファンたちが本当に魂を注がんばかりの映像文化「アニメ」は、このラテン語が語源だとされている。それはさて、カール・グスタフ・ユングという心理学者の夫の仕事を引き継いで、女性版のアニマを完成させたのは、妻のエンマ・ユングである。
アニマの発達段階は4つ。肉体的、ロマン的、霊的、知的、という順である。ちなみにそれぞれのアニマには名前が付けられており、順にエヴァ、ヘレン、メアリー、ソフィアである。エヴァは旧約聖書の創世記に登場する女性、ヘレンはトロイの伝説に出てくる女性、メアリーはキリストの母、ソフィアは古代ギリシャ語の「英知」という言葉に由来する女性の名である。さて、一方、女性版のアニマはAnimus《アニムス》と言い……――(次回へつづく)
精神医学(Wikipedia)アニムスの解説(英語)